年々厳しさを増す夏の暑さですが、冷たいものを飲み食いしたり電車やオフィスなど冷房がよくきいた場所にいたりすることで体が冷えてしまいます。この気温差によって自律神経が乱れ、腸の動きも乱れてしまい食欲不振、夏バテ、エネルギー不足による体力低下などの不調が起きやすくなります。そしてこの不調によりさらに腸の動きが悪くなるというループにはまってしまいます。
今回は
〇夏バテを解消するおすすめの腸活ポイント3つ
〇夏バテしない体を作るためにおすすめのレシピ をご紹介します。
目次
食品は発酵させると含まれている炭水化物、たんぱく質、脂質が分解されます。あらかじめ栄養素が分解されている状態のものを食べることで消化吸収の負担が減り、腸の状態がよくなります。
また植物性の発酵食品(納豆、甘酒、しょうゆなど)は胃酸にも強く、腸の働きをよくする善玉菌と、その善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。効率的に腸活を行いたいという方は植物性の発酵食品を意識してとるようにしましょう。
腸活をすると聞くと野菜をとるためにサラダをたくさん食べよう!と思う方が多いと思います。もちろん野菜は食物繊維が豊富なのでたくさんとりたいのですが、生野菜を大量にいきなり食べると便秘の方はさらに悪化してしまったり、お腹を冷やしてしまったりと逆効果になる場合があります。
たくさんの野菜をみそ汁に入れることで、消化の負担と、野菜のカサを減らして無理なく続けることができるのでおすすめです。
夏は室内と室外の寒暖差、発汗による体温調節、紫外線の刺激など交感神経の酷使により自律神経のバランスが崩れ、疲れやだるさ、食欲不振などの不調が出てきます。腸はリラックスしている時、特に夜の睡眠時間に活発に動き、消化吸収だけでなく腸内の修復を行っています。睡眠をしっかりとることで腸の動きがよくなり睡眠の質が上がり、疲れにくい体になっていきます。疲れた時こそ少しでも長く睡眠時間を取るように心がけましょう。
今回は夏バテ対策におすすめの食材を取り入れたみそ汁のレシピをご紹介します。暑くなってくるとキッチンに長時間立つことが苦痛と感じませんか?そんな時は汁物1品に栄養素をまとめると食事の準備が楽になります。
鶏むね肉には「イミダペプチド」という抗疲労物質が含まれています。「イミダペプチド」は夏の暑さや紫外線の刺激で酷使された自律神経中枢で効果を発揮するので効率的な疲労解消が期待できます。
またかぼちゃは抗酸化作用を持つビタミンCやE、β-カロテンを豊富に含みます。ビタミンEやβ₋カロテンは油と一緒に摂ることで吸収率が上がるため食べる前にえごまオイルをプラスして食べましょう。
【参考文献】
日本医事新報社「鶏胸肉などに含まれるイミダペプチドが抗疲労効果を発現する機序は?」週刊日本医事新報4773号(2015)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3841(最終閲覧日:2021年7月3日)
吉田企世子(2016)『春夏秋冬おいしいクスリ旬の野菜の栄養事典』株式会社エクスナレッジ
【材料】(2人分)
・鶏むね肉(皮を取ってそぎ切り)…120g
・かぼちゃ(角切り)…100g
・ズッキーニ(半月切り)…1/4本(60g)
・しめじ(子房に分ける)…1/6株(40g)
・だし汁…300㏄
・みそ…大さじ1.5
・片栗粉…大さじ1/2
・えごまオイル…小さじ2
【作り方】
1. 鍋にかぼちゃ、だし汁を入れ中火にかける。沸騰したら弱火にして火が通るまで煮る。
2.鶏むね肉に片栗粉をまぶしたら鍋に入れ、ズッキーニ、しめじを加える。
3.鶏むね肉に火が入ったら火を止めみそ、えごまオイルを加える。
(レシピ考案:栄養士・腸の学校インストラクター/柴田今日子)
◆加勢田 千尋さん(管理栄養士)
腸専門の食育学校を運営する
「一般社団法人日本腸内環境食育推進協会」代表。
腸の専門家として、薬やサプリメントに頼らない
腸を元気にする食事法を発信している。